ブランクありのママ薬剤師向け、子供の薬(風邪薬・内服薬・外用薬)の注意点を確認!

子供用の風邪薬について


風邪薬には風邪の初期症状に対応できるように解熱作用のある解熱・鎮痛薬、咳や痰を鎮める鎮咳・去痰薬、鼻水や鼻づまりを抑える鼻炎薬などが配合されています。

この基本3点セットに加え、さらに葛根湯などの漢方薬を加味した製剤、ウイルスに対する提供力を強めるためのビタミン薬入りのもの、頭痛を鎮める成分の無水カフェインを配合したものなどがあります。

総合風邪薬に含まれている成分


1.解熱・鎮痛成分:熱を下げる、頭痛・のどの痛みをとるための成分であるアセトアミノフェンなど。

2.抗ヒスタミン成分:鼻水、くしゃみなどのアレルギー症状を鎮める塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンなど。

3.鎮咳成分:脳にある咳中枢に働き、咳を鎮めるための成分である臭化水素酸デキストロメトルフィン、ヒベンズ酸チペピジン、リン酸ジヒドロコデインなど。

4.漢方薬成分:古くから使われてきた、かぜの諸症状を緩和する成分である葛根湯、桂枝湯など。

5.生薬成分:漢方薬とは別に、配合されることの多い生薬成分である甘草、麻黄など。

6.去痰成分:たんの切れを良くするための成分である、グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウムなど。

7.ビタミン成分:かぜのときに消耗しがちなビタミン、特にビタミンB1,B6,Cなど。

総合風邪薬には、ルルコドモシロップ、アキネトンシロップ小児用、小児用エスタックシロップなどがあります。

子供のかぜがこじれた場合には


かぜがこじれて熱が数日下がらない、鼻水や咳が止まらないというときは、細菌感染により二次感染症を併発することがあります。こうなるともう一般薬では太刀打ちできません。医師の診断を受け、抗生物質を服用することになるでしょう。

抗生物質は、期間を決めて服用することが大切です。勝手に途中で飲むのをやめてしまうと体内での薬の濃度が安定せず十分な殺菌効果を示さないことになり、病気の長期化を招きます。

抗生物質にはペニシリン系とかセフェム系などの分類グループがあって、どうグループであった場合、次に飲んだときに同様の副作用を引き起こす心配があるので注意が必要ですね。


薬の吸収は胃内の酸性度や胃の運動に影響される


体の機能の未成熟な子供は大人に比べたら薬の吸収が良いとは言えません。生まればかりだと胃内のpH(水素イオン濃度)は6~8ですが、3歳くらいでほぼ大人と同じpHになります。このように胃内は酸性ですから、薬も胃内で溶け出して小腸で吸収されやすいように、主に弱い酸性物質として作られているのです。

幼いほど、胃内の酸性度が低く胃の運動も弱いので、薬が胃内にとどまる時間が長くなって薬が小腸から吸収される速度が遅くなります。

薬の分布は血液中のタンパク質の量や体内の水分量に影響される


主に小腸から吸収された薬は血液中に入っていき、水に溶けているタンパク質とくっついて体内を循環します。通常薬はタンパク質と結合してその作用が急に起こらないようにしています。つまり、タンパク質と結合していない、フリー(遊離の状態)の薬が効き目を発揮しているのです。子供の血液中のタンパク質の量は大人より少ないので、タンパク質と相性のよい子供に大人と同量与えますと、タンパク質と離れた薬が増え、効き過ぎてしまいます。

また、体内の水分量も分布に影響します。大人では全体重の約60%ですが、赤ちゃん・子供は70~80%が水分です。子供は大人に比べて水分の比率が高いので、体内での薬の濃度が低くなります。薬の効果を発揮させるには血中濃度を適切に保つ必要があるので、体重あたりの薬の用量は比較的多めになります。

薬の代謝は肝臓の分解・解毒機能に影響される


効果を現した薬のほとんどは肝臓で水に溶けやすい形に変えられますが、これを代謝といいます。代謝にかかわる酵素は生後2ヶ月くらいしないと完全には働き出しません。大人に比べて肝臓が未成熟な子供は、代謝能力が低く、薬が体内にとどまっている時間が長くなり薬が効きすぎたり副作用が現れるおそれがあります。

また排泄に関して。排泄は主に腎臓で行われますが、この機能の発達は3歳くらいまでかかります。幼児では大人の腎機能の40%程度とされていますので、薬による中毒が起こりやすくなります。ちなみに腎臓そのものの発達は意外と遅く20歳ころまで発達を続けます。

散剤の上手な飲ませ方


散剤は吸収されやすく、保存性も優れていますが乳児は粉のままだとむせてしまいます。粉薬の上手の与え方は1回分の薬を小さな容器に入れ水やミルクを1~2滴たらし固練りしてこれを人差指の先に乗せ、赤ちゃんを抱っこして味を感じにくい上あごに素早く塗りつけます。そのあとですぐにミルクやお湯を飲ませます。

またはやや多めの水かぬるめのお湯に粉薬を溶いてスプーンかスポイトで飲ませます。スポイトで飲ませる時には気管に入らないように口の脇から頰の内側に少しずつたらして飲ませます。

ここで大切な注意点があります。粉薬をミルクに溶かして与えないことです。ミルクの味が変わりミルク嫌いになりかねません。離乳食が進み歯が生え出したらスプーン一杯ほどの砂糖水に薬を溶かして飲ませます。

お母さんが味見して苦いと思えば、溶かした粉薬をシャーベット状にしたり、アイスクリームなどに混ぜると味覚を鈍らせられます。チョコレート、コンデンスミルク、ミルクココア、メープルシロップなど粘度が高く濃いものは苦味をうまく隠してくれます。市販の服薬補助ゼリーやオブラート製品を使って飲ませるのも良いでしょう。

シロップ剤を子供に飲ませるときの注意点


シロップ剤には子供の好む味がつけてあります。オレンジ、イチゴ、バニラなど薬によって味、色、香りが違います。乳幼児には飲ませやすい薬ですが、複数のシロップ剤を混ぜわあせてはいけません。混ぜ合わせたことで薬どうしが反応を起こして溶けなくなってしまったり、味が混ざってとんでもない味になったりします。

シロップ剤は沈殿しているものであれば軽く振って混ぜ合わせ容器のメモリに従ってきちんと量を計ってスプーンで少量ずつ飲ませます。くれぐれも容器のまま飲ませたりしないよう注意してください。口をつけることでそこから細菌などが入って、カビのもとになりかねません。

錠剤を子供に飲ませるときの注意点


6~7歳の学童期になると、薬を飲まなければならない意味もかなり理解できるようになり、いくらかお母さんもらくになります。小さい錠剤、カプセル剤も飲めるようになってきますが、個人差がありますのでむりやり飲ませることはやめましょう。

飲めないからといって錠剤をつぶしたり、カプセル剤の中の薬を出したりしないでください。薬はそれぞれが目的に応じて安定した効き目が現れるように剤形が工夫されています。

子供が大きくなったからといって子供任せにしないことです。薬の飲み忘れ、用量の間違い、誤飲などの問題が出てくるおそれもあります。


軟膏、クリーム剤の上手な使い方


主な塗り薬には、軟膏とクリーム剤があります。軟膏とクリーム剤では基剤が違います。簡単に言えばベトっとして脂っぽく透明なのが軟膏でワセリンが基剤、白いクリームが基剤なのがクリーム剤です。同じ塗り薬なのに軟膏とクリーム剤があるのは両者の使い方に特徴があるからです。たとえば幼児湿疹でジクジクしていたら軟膏、カサカサしていたらクリーム剤がおすすめです。

軟膏は広範囲に薬を塗ることができ、皮膚の上に定着するので効果が持続します。クリームは傷があると傷口からの分泌物も皮膚の中に浸透するので使えません。

塗り薬を使うには、まず石鹸と流水で手をきれいに洗います。そして患部を清潔にしてからお母さんは必要な分量を自分の手の甲に落としこすらずに薄く伸ばして塗ります。細菌が入るのでチューブから直接塗らないよう気を付けるのがポイントです。

坐薬の上手な使い方


最近は子供にも解熱剤だけではなく、せき止め、吐き気止めなどで用いられています。坐薬は先にちょっと水につけて素早く入れるのがコツ。

坐薬は肛門から入れると体温や水分で溶けて15分くらいで薬が直腸付近の血管から直接吸収されます。坐薬は胃で溶けて小腸から吸収されるという通常のプロセスはたどりません。直腸から吸収された必要な量の薬が素早く目的の患部に運ばれるため、即効性もあります。

発熱の場合、坐薬か飲み薬かはお母さんが悩みやすいところですが、どうしても薬を飲まない子供には坐薬も考えられます。その場合は主成分がアセトアミノフェンの坐薬にしたほうが良いでしょう。

坐薬は4時間以上あけて使い、1時間置きで使ったりすると低体温ショックをおこす可能性があります。解熱剤の坐薬の使用はせいぜい1回くらいにしたいものです。