派遣薬剤師として働く予定のママが勤務前に知っておきたい調剤薬局の収支事情

薬局の支出の7割は医療薬品の購入


結婚や出産のタイミングで以前の職場を退職したママ薬剤師さんの中でも、病院で働いていた方も派遣薬剤師をやるとなればその職場はほとんどが調剤薬局です。

なので今回は調剤薬局で派遣薬剤師として働こうと思っている方向けに、調剤薬局の収支状況を簡単に解説していきます。

当然ではありますが、調剤薬局の収支は100%保険調剤に依存しています。その74%は薬剤費、26%が技術料となっており、技術分はそのまま粗利ということになります。一方支出では医薬品の購入費用が7割近く、その次に給与が占めています。

調剤薬局の主な経営資源は薬価差


調剤薬局の収入のほぼ全てを保険調剤となっていますので、医療品購入費用と請求書費用(薬価)の差額である薬価額によってほとんどの利益を出していることを意味します。

ですので、調剤薬局を何店舗も展開している会社の場合、医薬品の購入を本部で一括して大量購入し、価格交渉を行って値引きすれば、薬価額をさらに大きくできます。

2013年度の薬価の調査では平均乖離率は8.2%でした、すなわち医薬品卸が薬局や医療機関に納入する価格が薬価基準価格よりも8.2%下回っていたことを示します。しかしこれは平均ですので、大量購入すれば15~16%もの値引きも可能ということでしょう。

ただし消費税を消費者に転嫁する仕組みになっていないため、薬価差が15%あれば消費税分を引いた額が収益額が手元に残る事になります。小規模薬局の場合は使用する医薬品の量が少ないため大手薬局ほどの薬価差を得られません。

医薬品の在庫でコストがかさむ薬局


支出で大きな割合を占めているのは医薬品費と給与ですが、備蓄医薬品でコストがかさむこともしばしば。調剤薬局は主な発行元の処方傾向を把握してある程度どの薬が必要かは予測できますが、薬局次第では50以上の医療機関からの処方箋が舞い込む事もあり、そのため備蓄医薬品が増加していくのです。

もちろん、備蓄医薬品は全て使用されるとは限らないため使用されないままデッドストックになるのも少なくありません。収支が調剤の出入りに大きく影響される調剤薬局ではこれはかなりの痛手となります。

人件費をけちると薬剤師を採用できなくて困る調剤薬局


また医薬品の次にコストがかかるのが人件費です。日本では薬剤師が1日に調剤できる処方箋の枚数は40枚と決められており、40枚を1枚でも超えれば薬剤師がもう1人必要となります。

しかしどの調剤薬局でも薬剤師不足は深刻で、時給を高くしたり、手当をつけたり高待遇にしないと薬剤師を採用できないという現状にあります。

そのため派遣薬剤師といえども時給3000円の求人があったり、地方であれば住宅手当が出たりと他の派遣ではありえないような待遇を受けられるのです。