ブランクありの薬剤師向け「処方箋・調剤録・レセプト業務・薬歴・疑義照会」の復習

調剤薬局の処方箋と調剤録


調剤録は調剤に関する記録および控えで、法的に必要な記載事項が規定されています。保険調剤録は調剤済みになった処方箋の余白や裏面に記載していますよね。必要事項が記載された調剤録を見る事で、どのように調剤したかを確認できますし、調剤の再現も可能となります。疑義照会した内容や解答も確認できます。またこの調剤録の確認は調剤過誤の早期発見も可能となり、事故を未然に防ぐこともあります。

処方箋と調剤録の保存期間に関してですが、保険薬局の開設者は調剤済みになった処方箋を当該調剤が完了した日から3年間保存しなければならないと規定されています。また調剤録も薬局の開設者は、調剤録を最終記入日から3年間保管しなければならないと規定しています。それぞれの薬局では管理しやすいように「五十音順」「保険別」「「医療機関毎」「生年月日」などで整理保管して、レセプト請求時の内容確認や照会があったときにすぐに検索しやすいようにしておきます。

また麻酔を調剤した処方箋は別に保管するように規定されています。この調剤済み処方箋を保管するスペースを店内に確保することは、薬局にとって大きな課題でもあります。この対策として処方箋を電子媒体にコピー保存して、検索を容易にしている薬局がほとんどでしょう。

保存期限切れ処方箋、調剤録の廃棄


保険期限をすぎた処方箋や調剤録は廃棄することができますが、患者のプライバシーの保護の観点から廃棄は慎重に行わなければならず1枚ずつシュレッダーで細かく切断したり、薬局責任者立ち会いのもとで焼却処分するなど、責任ある廃棄を行う必要があります。特に個人情報保護法が施行されてからは、どの薬局も保管管理・廃棄に対策をとり、中には日本情報処理開発協会が認証するプライパシーマークなど、審査承認を受ける薬局もでてきています。

薬局の調剤報酬とレセプト業務


調剤報酬は調剤技術料、指導管理料、薬剤料、特定保険医療材料料の4つの部分からなっており、詳しくは「療養の給付、老人医療及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令」で定められ、それに基づいて計算され請求されています。次にレセプト業務について。

薬局では患者さんから1割~3割の負担金を請求しますが、残りの7割~9割の金額は患者さんの加入する保険者に請求する仕組みになっています。この調剤報酬請求業務をレセプト業務と呼ぶんでしたよね。

レセプト業務は患者ごと、同一医療機関ごとに一ヶ月分をまとめて1枚の調剤報酬明細書に記載して、社会保険、国民健康保険の2つに提出します。提出先は社会保険は地域の社会保険診療報酬支払基金であり、国民健康保険は地域の国民健康保険団体連合会です。期限は翌月の10日前後の指定日になり、この限られた期間にレセプト業務を完成させないと収入が途絶えてしまいます。

このようにレセプト業務は、薬局経営にとって非常に重要な業務なので、どの薬局もこの期間は残業することもあり、期限内にレセプト業務を終わらせます。


ブランクありのママ薬剤師向けに薬歴の確認


ブランクのある薬剤師さん向けに、調剤に関する基礎知識を簡単におさらいしていきます。薬歴は薬の服用状況を経時的に記録したもの。薬歴には服用している薬の名称、服用量、日数などが順次記録されており、患者特有のプロフィール(例えば過去のアレルギー歴、副作用歴、病歴、体質、妊娠の有無、併用薬の有無など)も記載されています。

これらの情報と処方箋の内容によて、処方内容が前回と同じなのか違っているのか、変わったとすればどんな理由なのかを検討します。「薬の飲み合わせはどうか」「副作用は出ていないか」「指示通り服用しているか」「薬の保存の仕方は適切か」などをチェックできるので、薬歴は患者が安全に薬物治療に取り組むために非常に役立っているのです。

現在は電子薬歴によって管理しているところがほとんどでしょう。電子薬歴は保管スペースも必要なく患者情報を電子的に入力、保管するため判読しやすく検索も容易にできるというメリットがあります。とはいえ薬歴は個人情報ですのでその管理には細心の注意が求められるでしょう。

ブランクありのママ薬剤師向けに疑義照会の確認


次に疑義照会の確認をしていきます。薬剤師法第24条では「薬剤師は処方箋中に疑わしい点があるときは、その処方箋を交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければこれによって調剤してはならない」とあり、薬剤師の疑義照会義務を定めています。

適切な薬物療法を行うためにはその源である処方箋に間違いや不備があってはなりません。また当然処方内容も適切なものでなければなりません。薬剤師は処方箋を受け取った際に処方鑑査を行い、処方箋の不備や内容のチェックを行います。

実際に患者さんが処方箋を持って薬局に来たと想定します。処方箋の内容ですが、患者の氏名・生年月日・性別、保健医療機関の名称と所在地、保険医の氏名、交付年月日など形式的な不備がないかをチェック。処方内容については医薬品名、分量、用法用量、後発医薬品への変更の有無などを確認。

散在、水剤、軟膏などの混合の指示が出ている場合は「配合変化がないか」「薬剤名は正しいか」「患者の年齢、腎機能、肝機能などを考慮して用量は適切か」「用法に間違いはないか」「相互作用の可能性はないか」などを確認します。特に高齢者や小児の場合は薬用料に制限がある場合がありますから要注意です。また体質、アレルギー歴、副作用歴などの患者情報を頭にいれておくことも必要です。


疑義照会違反に問われる場合


処方内容に疑問が生じたときは疑義照会となります。疑義照会は正確で要点を踏まえたものでなければなりません。そこで疑義照会をする前に添付文書や文献などを参考にして要点を整理し、わかりやすく医師に伝える事が重要です。そして代替案を準備し医師に提案できるとよいでしょう。疑義照会の回答が得られたら処方箋の備考欄などに疑義照会日時、照会先名、照会内容と結果、担当した薬剤師のフルネームを記入します。疑義照会しても場合によっては「処方通りでお願いします」と言われる事がありますが、このように変更がなかった場合でもその旨を記載し、疑義照会したという事実を明確にしておく必要があります。

疑義照会を行う第一の目的は患者の安全性を確保するためですが、同時に薬剤師を守る事にもつながります。もし処方された薬により患者さんの体調が悪化した場合疑義照会したかどうかについて薬剤師の責任が問われます。実際に疑義照会をせずに調剤してしまい、患者が副作用で志望したケースで疑義照会義務違反が問われ、薬剤師が有罪判決を受けた判例もありますので要注意です。